「退職金って、いつ振り込まれるの?」——退職日が近づくほど不安になるこの疑問。
とくに中小企業では、法律で一律の支払期日が決まっていないため、会社の規程や手続き次第で1〜2か月ほど待つケースも珍しくありません。
一方で、未払いの給与や立替金は“請求から7日以内”という明確なルールがあり、ここを押さえるだけでも資金繰りは大きく変わります。
本記事は、自己都合退職でも早く受け取るための実務テクを中心に、就業規則のどこを見ればいいか、提出すべき書類、社内決裁を止めないコツ、中退共の流れまでを、今日から動けるチェックリストに落として解説します。
最短で手元に現金を確保するための“正攻法”を、わかりやすくまとめました。
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支払いの原則
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未払い給与・精算金:請求から7日以内が法律上の期限。
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退職金:会社の就業規則・退職金規程の期限が優先(多くは退職後1〜2か月が目安)。
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中退共:会社の請求“受理”後、約4週間が標準。
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早く受け取るためのキモ(自己都合でも有効)
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規程の支給期限と必要書類を事前に確認(メールで証跡化)。
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「退職所得の受給に関する申告書」を退職前に提出(源泉計算を一発完了)。
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口座情報・本人確認・マイナンバー・貸与物返却・精算を前倒しで完了。
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中退共は“会社がいつ請求を出すか”を確認・督促(受理ベースで時計が動く)。
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やむを得ない事情がある場合は規程の範囲で部分前払い・前倒し支給を相談。
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遅延・未払い時の対処
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規程と予定日の提示を依頼 → 未払い給与は7日以内ルールで請求。
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退職金は規程の期限超過で是正要請。必要に応じて労働局の相談・あっせんや専門家へ。
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退職金の振込時期の結論(最短〜一般的な目安)
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一般的な目安:退職後 1〜2か月以内 に振り込まれるケースが多い(会社の規程・決算期・事務の混み具合で前後)。
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最短で受け取りたい人向け:会社規程の“支給期限”を確認し、必要書類(とくに「退職所得の受給に関する申告書」)を退職前に提出&口座情報を即時提出。これで社内の計算・源泉徴収が一発で終わり、支給日が前倒しされやすくなります。
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中退共(共済型):会社が共済へ請求してから約4週間が目安(退職月分の掛金入金を確認後)。
ポイント:法律で退職金の一律の支払期限は決まっていません。「賃金(未払い給与)」と「退職金」は扱いが異なります(詳しくは次章)。
法律のルール:7日以内に払われるお金と、退職金のちがい
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退職時の未払い給与や立替金は、労働者が請求したら7日以内に支払う義務(労基法23条)。カレンダーの7日でカウントします。
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退職金(退職手当)は賃金とは別枠の扱い。就業規則や退職金規程に定めた支払時期でOKとされています(= 7日以内ルールの直接適用外)。行政のQ&Aや専門解説でも同旨です。
まとめ:未払い給与=7日以内、退職金=会社の規程どおりが基本。
会社ごとの規程で決まる:就業規則・退職金規程の読み方
厚労省のモデル規程でも、退職金の支払方法・時期は各企業が定めるとされています。
多くの中小企業が「退職日から○か月以内」などの期限を規程で明記します。
チェックすべき箇所(就業規則・退職金規程)
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支給対象(自己都合・会社都合・懲戒解雇等の扱い)
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支給計算(勤続年数・等級・係数)
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支給時期(例:退職後○か月以内)
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必要書類(申告書、本人確認、口座情報など)
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中退共など外部制度の記載の有無
「自己都合」でも早く受け取るコツ(今すぐできる実務)
ゴール:会社規程の“上限”より前で振り込んでもらう交渉余地をつくること。
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規程の支給時期を先に把握
退職願を出す前に人事へ“支給時期と必要書類”を確認。社内の締め(給与計算・決算・人事異動時期)も聞いておく。 -
「退職所得の受給に関する申告書」を退職前に提出
これが未提出だと**一律20.42%**で源泉徴収→後で確定申告が必要になり、社内の事務も二度手間。早期振込の“実務上のブレーキ”になりがちです。 -
口座・本人確認・マイナンバー等は即提出
不備があると社内決裁が止まり、支払日が後ろにズレます(社内フロー上の“詰まり”を先に潰す)。 -
会社への返却物・精算を前倒しで完了
社用PC・備品、旅費・立替精算、貸与品の返却が完了していないと支払い決裁が進まないことがあります。 -
“未払い給与”は7日以内を明確に請求
給与・残業代・精算分は法定の7日以内。まずここを確実に請求・回収(書面・メールで日時を残す)。 -
やむを得ない事情なら“部分前払い”を相談
退職金そのものは7日以内ルールの対象外でも、規程の範囲内で先行支給や一部前倒しに応じてもらえる余地はあります(社内決裁の可否は会社次第)。
中退共(中小企業退職金共済)利用企業の振込スピード
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標準的な所要:請求の受け付け後 約4週間
退職月分までの掛金入金確認後に支払い。季節や事務混雑で前後あり。
ここがコツ:「退職日から4週間」ではなく「請求受理から約4週間」。会社側の請求手続きが遅れると、あなたの受け取りも後ろ倒しになります。会社に“いつ請求を出すか”を確認し、督促しましょう。
税金で遅れる&手取りが減るのを防ぐ書類
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退職所得の受給に関する申告書を必ず事前提出
未提出だと一律20.42%で源泉徴収 → 後で確定申告が必要になり、手取りも一時的に大きく減ります。提出済みなら勤続年数等に基づく正しい源泉計算で手取りが安定。
振込が遅い・未払いのときの対処法
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社内規程・支給予定日の提示を依頼(メールでエビデンス化)。
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未払い給与は“請求日から7日以内”の法定期限を明示して請求。
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退職金は“規程の期限”を過ぎたら未払いとして是正要求(人事・経理→所属長→経営の順に段階的に)。
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行政の相談窓口を活用(労働局の助言・指導/あっせん)。
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法的助言:規程や事実関係が複雑な場合は、社労士・弁護士へ相談。
よくある質問(Q&A)
Q1. 自己都合だと支給が遅くなる?
A. 一般に時期そのものは規程どおりで、自己都合・会社都合でタイミングが変わることは少ないです。ただし金額や係数は区分で変わるのが通例。
Q2. 会社が「決算後に払う」と言う。待つしかない?
A. 規程の支給期限が優先。明記があればその範囲内は適法。明記がない・著しく遅い場合は是正を求められます。
Q3. 退職日までに何を出せば早くなる?
A. 退職所得申告書・口座情報・本人確認・マイナンバー。未払い給与や精算書も同時に提出。
Q4. 中退共は自分で請求できる?
A. 企業経由の手続きが必要な運用が多く、**「会社が請求してから約4週間」**が目安。まず会社の手続き状況を確認。
早見表:いつ振り込まれる?
制度・項目 | 振込時期の目安 | 根拠・備考 |
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未払い給与・精算金 | 請求から7日以内 | 労基法23条(カレンダー7日)。 |
退職金(自社制度) | 規程で定めた期限内(多くは退職後1〜2か月以内) | 一律の法定期限なし。就業規則優先。 |
退職金(中退共) | 請求受理後 約4週間 | 掛金確認後に支払い。 |
今日やること
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社内規程で支給時期と必要書類を確認(メールで質問→記録化)。
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退職所得申告書を“退職前”に提出(20.42%の一律控除を回避)。
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未払い給与は7日以内ルールで確実に請求。
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中退共は“会社の請求日”を確認し、受理→4週間が目安。