「退職します」と伝えた瞬間から、上司の説得・圧力・“受理しない”のひと言まで——。その引き止め、本当に合法でしょうか?
本記事は、OKな説得とNGな違法引き止めの境目を、誰でもすぐ判定できるチェックリストと実務テンプレで解説します。ポイントはシンプル。到達から2週間で辞められる原則、有休の一律拒否は×、離職票の“人質化”は違法のおそれ。
迷いをなくすために、会話の切り返し・メール文面・内容証明の骨子まで“そのまま使える”形で用意しました。感情に飲まれず、法と手順で静かに抜ける。 そのための最短ルート、ここにあります。
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線引きは明確:
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OK=節度ある一次の説得、合理的な引継ぎ協議、限定的な時季変更の相談。
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NG=受理拒否・退職日の一方的先延ばし、損害賠償の脅し、有休の一律却下、監禁的面談や深夜呼び出し。
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実務は3ステップ:証拠化 → “到達”を作る → 公的窓口。メール/社内チャットで形を残し、退職通知は到達主義で確定、有休は同時申請。動かない時は労働局・ハローワークへ。
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あなたがやること:この記事のテンプレをそのまま使い、日付と事実を埋めて送るだけ。感情論ではなくルールと言葉で淡々と前進しましょう。
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【超速判定】違法おそれチェックリスト(OK/NG発言)
OK(適法の可能性が高い)※節度が条件
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「一度だけ話をさせて。条件を改善するから再考できる?」(穏当な慰留・条件提示は原則OK)。
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「引継ぎ計画を一緒に整理しよう」(業務上必要な協議はOK)。
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「繁忙日の合理的範囲で有休の日程を調整できる?」(時季変更権は厳格要件のもとで限定的に可。退職直前への一律行使は×)。
NG(違法おそれが高い)
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「認めない/受理しないから辞められない」→無期は到達から2週間で終了(民法627条)。受理拒否で妨害は×。
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「離職票は出さない/ハロワに出さない」→離職票交付は義務、拒否は罰則対象。
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「損害賠償する/違約金払え」→労基法16条で違約金・損害賠償予定の禁止。ちらつかせも抑圧的ならNG。
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「懲戒解雇にするぞ(退職意思の撤回強要)」→不当な脅し=パワハラ。
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「夜間に自宅へ押しかける/長時間の監禁面談」→強制労働の禁止(労基法5条)に抵触し得る。
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「有休は全部却下。退職前は使えない」→退職直前一律拒否は✕(最高裁昭62.7.10)。
退職の法的“土台”を3分で:無期・有期、有休、離職票
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無期雇用:退職の意思が会社に到達→2週間で契約終了。承諾は不要(民法627)。
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有期雇用:期間途中の退職は原則×。ただしやむを得ない事由なら直ちに解除可(民法628の原則/労契法の体系)。
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有給休暇:会社は要件充足時に付与義務。時季変更権は「事業の正常な運営を妨げる場合」に個別・限定でのみ可。退職直前への一律行使は無効。
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離職票:希望があれば会社は手続義務(退職翌々日から10日以内に離職証明書提出→ハロワ発行)。拒否は6か月以下の懲役・30万円以下の罰金の対象。
具体的にどこからNG?代表的“引き止めワード”の線引き
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「今だけ年収+◯万円」→任意の再考要請としてはOK。ただし執拗な連絡・深夜呼び出し・人格攻撃が混ざるとパワハラ。
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「引継ぎが終わるまで退職不可」→法的にはNo。引継ぎ協力の要請はOKだが、退職効力の発生自体は止められない。
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「受理しないから無効」→無効にはならない(到達主義)。内容証明やメールで到達化を。
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「有休は繁忙だから全却下」→過度一律は×。具体的・客観的な支障立証が必要。退職間際は特に慎重。
会社の「やりがち違法」トップ5
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受理拒否/退職日を勝手に先送り
→「民法627条に基づき、◯月◯日到達の2週間経過で終了」と書面で再通知。内容証明が有効。 -
離職票を“人質化”して交付拒否
→会社に離職証明書の提出義務を指摘。動かない場合はハローワークに相談し、行政から催促・手続誘導を受ける。 -
「損害賠償するぞ」等の金銭脅し
→労基法16条で違約金・損害賠償予定の禁止。脅しはパワハラにも該当。発言録音→相談。 -
有休を一律で使わせない
→退職直前の一律拒否は無効になり得る。申請→拒否理由の具体性を文書で要求。 -
監禁・長時間面談・深夜訪問
→強制労働の禁止(労基法5条)。退出→記録→相談が正解。
いざという時の実務フロー(最短ルート)
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証拠化:やり取りはメール・チャットに集約。会話は録音(自分が会話の当事者なら日本法上、原則適法の範囲)。
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退職通知の“到達”を作る:
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メール+社内ツール+内容証明の三点打ちで「いつ到達したか」を明確化。
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有休の同時申請:退職日までの計画的付与を申請。拒否されたら理由の具体化を文書で求める。
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離職票の請求:希望を明示。進まなければハローワークへ相談(雇用保険の手続指導・催促)。
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エスカレーション:総合労働相談コーナー/労働条件相談ほっとラインに相談。必要に応じて労基署・均等室へ。
使い回せるテンプレ
A. 退職通知(無期雇用・メール文例)
件名:退職の意思表示(到達通知)
人事部 御中/上長各位
私[氏名]は、民法627条に基づき、本メール到達日から2週間後の[退職日]をもって退職いたします。
併せて、残余年休の取得を申請します(別紙計画表)。引継ぎは添付計画に沿って実施します。
※本メールは退職の意思表示です。合意の要否・受理の有無にかかわらず、法定期日で終了します。
B. 年休申請(退職前消化)
件名:年次有給休暇の取得申請(退職前)
取得希望:[日付一覧]
事業の正常な運営に具体的支障がある場合は、合理的根拠と代替案を文書でご提示ください。
C. 内容証明(受理拒否・妨害時の骨子)
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退職の意思表示は◯年◯月◯日到達。退職効力は◯年◯月◯日。
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離職票交付を希望。法定期限に従い所要手続を実施願います。
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違約金・損害賠償予定は違法(労基法16条)。脅迫・過度拘束の言動は法令・指針に抵触し得ます
相談窓口・ヘルプ
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総合労働相談コーナー:全国の労働局・労基署で無料・匿名可。幅広く受理、助言・あっせんへ接続。
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労働条件相談「ほっとライン」:平日夜間・土日祝に電話で無料相談(厚労省委託)。
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ハローワーク(離職票が出ない等の手続トラブル)
参考になる主要ルールの要点
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民法627条:無期の退職は到達+2週間で終了。
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民法628条/労契法の枠組み:有期途中の退職はやむを得ない事由で可。
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労基法5条:暴行・脅迫・監禁等での強制労働禁止。
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労基法16条:違約金・損害賠償予定の禁止。
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年休の時季変更権(最高裁昭62.7.10):退職直前の一律拒否は無効。
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離職票:交付義務・手続期限(翌々日から10日以内)・罰則あり。
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パワハラ防止法(労施総法)指針:過剰な言動の抑止・相談不利益取扱い禁止。
今日の持ち帰り
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OK:一度の説得/条件提示、合理的な引継ぎ協議、限定的で個別具体な時季変更。
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NG:受理拒否で妨害、離職票の人質化、違約金・損害賠償の脅し、退職前有休の一律拒否、監禁・深夜訪問等のハラスメント。
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困ったら証拠化→書面到達→公的窓口の3ステップで、安全に“抜ける”仕組みを作る。
必要なら、あなたのケースに合わせて文面を具体化します。状況(雇用形態、退職予定日、会社の発言)を教えてください。