「傷病手当金」と「失業手当」は同時受給不可。でも順番を工夫すれば、結果的に両方の権利を活かせます。
本記事では、最適な受給順序、手続きの流れ、延長のコツまで“損しない選択”をやさしく解説。
いま療養中の人も、これから求職する人も、今日から取れるベストアクションが分かります。
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傷病手当金(健康保険)と失業手当(雇用保険)は、同時には受給できません。
就労できない(療養)状態は「失業の状態」ではないため、同一期間の併用は不可です。
ただし順番をずらせば“結果的に両方”受け取ることは可能です。
一般的には、療養中は傷病手当金、回復して就職可能になったら失業手当に切り替えるのが王道です。
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3つの制度の違い(よく混同するポイント)
制度 | 管轄 | もらえる人 | 期間/要件の要点 |
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傷病手当金 | 健康保険(協会けんぽ・健保組合) | 病気・けがで働けず賃金がない在職者等 | 連続3日+4日目以降が支給対象/最長1年6か月。 |
失業手当(基本手当) | 雇用保険(ハローワーク) | 働く意思と能力があり求職中の離職者 | 「失業の状態」であることが必須(病気等で働けない間は対象外)。 |
雇用保険の傷病手当 | 雇用保険(ハローワーク) | 求職申込み後に15日以上就業不能になった人 | 日額は基本手当と同額/基本手当の残日数の範囲内で支給。 |
同時受給NGの理由と法的根拠
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失業手当は「いつでも就職できる能力がある失業の状態」に対する給付。療養で働けないときは対象外です。
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雇用保険の「傷病手当」も、他法令の類似給付(例:健康保険の傷病手当金)を受ける日は支給なしと明記。二重取りは不可です。
ベストな受給順序は?代表パターンと判断基準
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療養が必要(今は働けない) → 傷病手当金を優先。回復後に失業手当へ。
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既に求職中で働けたが途中で悪化 → 雇用保険の傷病手当へ切替(基本手当は中断し、残日数の範囲で支給)
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目安:療養見込みが長期→傷病手当金/短期(14日以内)→基本手当の継続が原則。15日以上で雇用保険の傷病手当を検討。
【手順】先に「傷病手当金」→回復後に「失業手当」
状況:退職前後から療養が続き、当面働けない。
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傷病手当金を申請(健保へ)
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条件:業務外の傷病、連続3日の待期+4日目以降、賃金支払なし等。
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期間:最長1年6か月。
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(同時並行)失業手当の「受給期間延長」を申請
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病気等で30日以上働けない場合、受給期間を最大3年延長(=離職翌日から最長4年で受給可能)。申請は原則早期、延長後の受給期間末日まで可
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回復したらハローワークで求職申込み→受給再開
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以後は基本手当のルール(認定日、求職活動実績等)に従います。
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ポイント
・療養中は「失業の状態」でないため、失業手当は出ません。延長申請で権利を守るのがコツ。
【手順】求職中に体調悪化したら「雇用保険の傷病手当」へ切替
状況:すでに求職申込み済み(受給資格決定済み)→途中から体調悪化。
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条件確認
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受給資格決定日以後の傷病で、連続15日以上就業不能。
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ハローワークで申請
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「傷病手当支給申請書」を提出(本人以外・郵送も可)。治癒後の最初の認定日までに手続。
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支給と日数の扱い
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日額は基本手当と同額、基本手当の“残日数”の範囲内で支給。
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回復したら基本手当の受給を再開(残日数を消化)
注意
・健康保険の傷病手当金を同時に受けることは不可(類似給付の併給禁止)。
退職後でも傷病手当金はもらえる?継続給付の要件
退職後も在職中からの療養が続く場合は、継続給付として受け取れることがあります。代表的な要件(例):
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退職日前日までに連続3日以上の休業(待期完成)+退職日も労務不能
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退職日に受給中の傷病で引き続き労務不能
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被保険者期間通算1年以上 等。
受給期間の延長(失業手当)と締切の注意点
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基本手当の受給期間は原則1年だが、病気等で30日以上働けないときは最大3年延長(=離職翌日から最長4年)。早めの申請が原則。
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申請は延長後の受給期間末日まで可能だが、遅いと所定給付日数を全て受け取れない可能性あり。
金額・期間のざっくり比較(損しない選び方)
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傷病手当金:おおむね標準報酬日額の2/3、最長1年6か月。
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失業手当:賃金日額の50〜80%、所定給付日数は90〜330日等。
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雇用保険の傷病手当:基本手当と同額/同計算、基本手当の残日数の範囲内。
目安
長期療養なら傷病手当金→延長→失業手当が取りこぼし少。短期の体調不良なら基本手当継続か雇用保険の傷病手当を検討。
よくある落とし穴Q&A
Q. 退職後にすぐ求職すべき?
A. 療養が必要なら、まず傷病手当金。失業手当は延長申請で権利確保を。
Q. 2つを同じ期間でもらえない?
A. 不可。失業手当は「就職可能」な人向け。類似給付の併給も禁止。
Q. 雇用保険の傷病手当はいつから?
A. 受給資格決定後の傷病で15日以上働けないときに申請。
かんたんフローチャート
今、働ける?
NO(療養が必要) → 傷病手当金へ → (回復)→ 失業手当(延長申請は早めに)
YES(求職中) → 基本手当 → 途中で15日以上の就業不能になった → 雇用保険の傷病手当へ切替 → 回復後に基本手当再開。
今日やることチェックリスト
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療養中:健保へ傷病手当金を申請/賃金支払の有無と医師証明を準備。
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失業手当は延長申請で権利保全(最大3年延長=最長4年で受給)。遅らせると日数減リスク。
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求職中に悪化:15日以上就業不能なら雇用保険の傷病手当を申請(基本手当と同額、残日数内)。
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退職後の継続給付:退職前からの療養が続く等の要件確認。