仕事を失った瞬間、「この家賃、来月も払えるだろうか？」——真っ先に胸をよぎるのは住まいの不安です。
本記事では、住居確保給付金と失業保険（基本手当）を中心に、2025年の最新ポイントまで踏まえて、受給条件・申請手順・併用のコツ・落とし穴を一気に解説。
制度は知っているかどうかで差がつきます。収入や資産のライン、活動実績の作り方、自治体ごとの上限の見方まで、初心者でも迷わないようチェックリスト付きで整理しました。
読了後には、「自分は申請できるのか」「何を、いつまでに、どの窓口へ」を今日から動ける具体策として持ち帰れます。
住まいを守り、次の一歩に集中するための“使える”ガイドです。
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住居確保給付金（家賃補助）と雇用保険（基本手当・失業保険）は、条件を満たせば併用可能です。
併用時は、失業保険の受給額は原則として住居確保給付金の「世帯収入」に算入され審査されます。
どちらを先に申請してもOKですが、両制度とも期間制限があるため、同時並行で早めに着手するのが安全です。
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住居確保給付金（家賃補助）の基礎知識
失業や収入減で家賃が払えない／払えなくなりそうな世帯に、自治体が家賃相当額（上限あり）を原則3か月、最長9か月支給。
支給は大家等へ自治体から直接行われます。
2025年の主な変更点（転居費用補助の新設 ほか）
2025年4月以降、家賃補助に加えて「転居費用補助」が順次スタート。
家計改善が見込める転居が必要と認められた場合、見積等にもとづく転居費用が上限内で支給されます（自治体実施・審査あり）。
例：東京都目黒区は資産要件・上限額を明示し、家賃補助の上限（月額）として単身53,700円、2人64,000円、3～5人69,800円等を案内。
住居確保給付金の受給条件・支給額・期間
対象（要旨）
以下すべてを満たすこと（自治体で細目あり）
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離職・廃業後2年以内、または自己責任によらない収入減で離職相当の状態。
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直近月の世帯収入が「基準額（住民税均等割非課税水準の12分の1）＋家賃（自治体上限あり）」以下。
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世帯の金融資産が「基準額の6か月分（上限100万円）」以下。
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求職活動（ハローワーク申込み、月2回以上の職業相談、週1回以上の応募等）を誠実に実施。自営業は事業再生の取組が認められる場合あり。
支給額・期間
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期間：原則3か月、延長2回で最長9か月。
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支給方法：自治体→大家等へ直接支払い。
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上限額：自治体ごとの「生活保護の住宅扶助基準」等に連動。例：大阪市の家賃補助上限は単身4万円、2人4.8万円、3～5人5.2万円等。
申請の流れ（最短で進めるチェックリスト）
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自立相談支援機関へ相談（各自治体窓口）。状況整理（離職票、賃貸契約書、通帳等）。
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ハローワークで求職申込み（住居確保給付金の求職要件クリア）。
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申請書類提出（収入・資産の証明、家賃関係書類、求職実績）。
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審査・決定 → 支給（大家へ直接）。延長希望は都度申請。
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転居費用補助を使う場合は、家計改善支援の結果「転居が有効」と認められ、見積書提出→審査→支給の流れ（自治体様式あり）。
雇用保険（失業保険・基本手当）の受給条件・金額・期間
受給資格（要旨）
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離職前2年間に原則通算12か月以上（特定受給資格者等は1年間に通算6か月以上）の被保険者期間があること、ほか。
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受給期間は原則離職日の翌日から1年以内（病気・出産・起業等の特例申請で最大3年算入除外が可能）。
支給額（基本）
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賃金日額×給付率（年齢・賃金水準で上限・下限あり）。2025年8月1日から上限・下限が改定。例：基本手当日額上限は
29歳以下 7,255円、30–44歳 8,055円、45–59歳 8,870円、60–64歳 7,623円。下限は2,411円（全年齢）。
2025年の主な変更点（給付制限短縮／日額上限改定 ほか）
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自己都合退職の給付制限：2025年4月1日以降の適用で、2か月→1か月に短縮。ただし直近5年で自己都合が2回以上ある等の場合は3か月。
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基本手当日額の上限・下限：2025年8月1日改定（上記数値）。
併用時の注意点（収入認定・活動実績・打ち切り要件）
失業保険の受給額は住居確保給付金の「収入」に算入。月ごとの収入が基準額＋家賃（上限）を超えると、家賃補助は不支給／減額になり得ます。
求職活動の実績（ハローワーク相談・応募など）を双方で求められます。実績不足は支給停止・返還のリスク。
収入が回復し基準超えになった、または常用就職し以前並みの就労状態に戻ったと認められると、住居確保給付金は中止されます。
支給は自治体→大家へ直接。家賃以外（光熱費・通信費等）は対象外。
失業保険の対象外なら：求職者支援制度（月10万円給付）
離職後で雇用保険が受けられない人等を対象に、月10万円の生活支援給付＋無料職業訓練。
住居確保給付金と並行相談が有効です（収入・資産要件あり）。
よくある失敗と対策（期限・書類・相談先）
失敗①：申請が遅く期限切れ
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失業保険は離職翌日から1年が原則。受給期間延長の特例は申請主義。早めにハローワークへ。厚生労働省
失敗②：収入・資産の見落とし
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住居確保給付金は失業給付・年金・仕送り等も収入に含む（一部除外あり）。通帳や明細を世帯単位で整理。世田谷区社会福祉協議会
失敗③：活動実績不足
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月2回相談＋週1回応募等の求職要件をカレンダーで管理。証跡（相談票・応募履歴）を保管。生活福祉資金の特例貸付・住居確保給付金特設ウェブサイト
失敗④：転居費用補助の要件誤解
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家計改善支援を受け、転居が家計改善に有効と認定されてはじめて申請可能。見積取得→様式提出→審査の順。厚生労働省
申請前に整える書類ミニチェックリスト
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（共通）身分証、賃貸契約書、家賃の請求・支払い記録
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（住居確保給付金）世帯の収入・資産の証明（給与明細、年金・失業給付の通知、通帳写し 等）、求職実績の記録、延長時の申請書類
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（転居費用補助）見積書、自治体指定の様式一式（要転居証明等）
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（失業保険）雇用保険被保険者離職票、本人名義の口座、写真、印鑑 など
まとめ
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併用は可能だが、失業保険は住居確保給付金の収入として扱われるため、月ごとの収入ラインに注意。
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2025年4月から転居費用補助が本格導入、2025年8月から失業保険の日額上限も改定。最新の自治体案内・ハローワーク情報で必ず最終確認を。
迷ったら、お住まいの「自立相談支援機関」→ハローワークの順で相談すれば、家賃と就労の両面で最短ルートを案内してもらえます