「再就職手当を受け取ってすぐ辞めたら、返金しなきゃいけないの？」——多くの人が最初に抱く不安です。
結論はシンプル。正しく申請して支給決定されたものなら、原則として返金は不要です。ポイントは“結果”ではなく、就職時点で1年以上働くことが合理的に見込めたか、そして虚偽や隠しごとがないか。
一方で、最初から半年契約だったのに「1年以上確実」と申告した、前職（または密接関係のある会社）へ戻った事実を隠した——こうしたケースは不正受給に当たり、支給取消・全額返還・最大2倍の納付命令の対象となり得ます。
本記事では、「返金が必要になる例外」を具体例で押さえつつ、早期退職後に何を・どの順でやれば良いかを実務目線で整理しました。迷いの元をひとつずつ潰して、次の一歩に安心して進みましょう。
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早期退職＝返金ではありません。原則は返金不要、ただし要件を満たさない前提での申請や虚偽申告は不正受給として返還・制裁の対象です。
早期退職後は、①離職票の手配→②ハローワークで再度の求職申込み→③離職理由の確認（自己都合／会社都合）→④必要なら受給期間延長の相談、という流れで淡々と手続きを進めましょう。
再び失業給付を受けたい場合は、新しい受給資格（離職前2年で通算12か月など）を満たせば可能です。
最後にセルフチェック——契約期間と更新有無、就職経路（紹介か否か）、前職との関係性、申告内容に虚偽がないか。
ここで引っかかる点があれば、早めにハローワークへ相談を。ルールを正しく理解して動けば、返金の心配に振り回されず、安心して次のキャリアづくりに集中できます。
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返金が必要になる「例外」パターン
次のような場合は支給取消し→返還の対象になり得ます。
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最初から要件を満たさない契約で申請した
例：雇用期間が明らかに1年未満の有期契約なのに「1年以上働くことが確実」と申告して受給。再就職手当は「1年超えて勤務が確実」が要件の一つのため、虚偽であれば不正受給です。 -
前職（離職した事業主）へ戻った／密接関係のある事業主への就職を隠した
「前の事業主ではないこと・資本・人事等で密接な関係がないこと」も要件。該当を隠して申請すると取消し・返還対象。 -
待期直後1か月間に“紹介要件”を満たさず自己都合就職したのに申告を偽った
自己都合退職者の一定期間は「ハローワーク等の紹介での就職」が要件です。ここを偽ると不正受給になります。 -
その他、偽り・書類偽造・申告漏れ等の不正
不正受給は全額返還＋最大2倍の納付命令等の対象。
処分の重さ（目安）：
返還命令（全額）＋延滞金、納付命令（最大2倍）、以後の給付停止、悪質なら刑事告発まであり得ます。
よくある誤解（「1年以上働けなかった＝返金」ではない）
要件の文言は「1年を超えて勤務することが確実と認められること」です。
これは“見込みの合理性”に関する要件で、結果として1年未満で退職した事実だけで返金には直結しません。
契約や労働条件から見て1年以上勤務が見込める状態で就職し、正しく申請して支給決定されたなら、早期退職＝当然返金にはなりません。
すぐ退職した後に起きる“その先”の扱い
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失業給付（基本手当）をまた受けられるの？
再就職手当を受けた後に離職した場合、新たに受給資格を取り直して（離職前2年に通算12か月以上の被保険者期間などの要件を満たせば）基本手当の支給対象になれます。就職前の古い受給資格は消滅し、新しい受給資格での支給になります。 -
会社都合で再離職した特例
受給期間（1年原則）の延長など、再就職手当受給後に倒産等で再離職した場合の特例的な扱いが設けられている旨の注意書きがあります。個別要件はハローワークで確認を。 -
自己都合退職の給付制限
自己都合離職だと待期後に1か月の給付制限（2025年改正後の一般的取扱）がかかる点に注意。
早期退職になったときの実務対応（やることリスト）
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離職票（または離職証明書）の手配
再就職先に依頼。もらえない場合でも退職の事実が分かる資料で対応できるケースあり。 -
ハローワークで「再度の求職申込み」
ここから失業認定がスタートします。 -
離職理由の確認（自己都合／会社都合）
支給開始までの待ち期間や給付制限に影響。 -
（会社都合や病気・育児等なら）受給期間延長の検討
延長可能な事由・期間・申請期限をハローワークで確認。 -
不正受給に当たらないかセルフチェック
契約期間・紹介経路・前職との関係・申告内容に虚偽がないかを再点検。問題があれば自主的に相談を。
注意すべきグレーゾーン／不正受給リスクの兆候
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契約書が最初から「半年契約・更新予定なし」だったのに「1年以上確実」と申告していた。
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前職と資本・人事・取引で密接な関係のある関連会社へ移ったのに申告していない。
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自己都合退職者の“待期後1か月”に、ハローワーク等の紹介以外で就職したのに、紹介扱いとして申請した。
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申請書類（採用証明・賃金証明等）に虚偽や未申告がある。→返還＋最大2倍納付まで発展し得る。