失業給付を受けながらパートやアルバイトで働き始めたら、「再就職手当」はもらえるの?
――答えは条件を満たせばYES。週20時間以上・31日以上の雇用見込みなど、いくつかのポイントを押さえるだけで、残っている失業給付の一部を一時金として受け取れる可能性があります。
本記事では、対象になる働き方・受給額の目安・申請の流れ・落とし穴と回避策を、初めての人でも迷わないように丁寧に解説。
数万円~十数万円規模の支給に届くケースも少なくありません。知らなかったで損をしないために、今すぐチェックしましょう。
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結論:パート・アルバイトでも条件を満たせば「再就職手当」は受給できます。
カギは「雇用保険の被保険者になれる働き方(週20時間以上・31日以上の雇用見込み)」と「所定給付日数の残り(1/3以上)」などの要件をクリアすることです。
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求職申込み→待期7日を確実に満了。
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パート/アルバイトの雇用条件は週20h以上・31日以上かを契約前に確認。
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所定給付日数の残りは1/3以上(できれば2/3以上)を狙って就職。
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入社翌日~1か月以内に申請。求人経路・雇用条件の証跡を添付。
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6か月継続して、賃金が下がっていれば定着手当も検討。
再就職手当とは?パートでも対象になる?
再就職手当は、基本手当(いわゆる失業給付)の受給資格がある人が早期に安定した職業に就いたときに、残っている給付日数に応じて一時金を支給する制度です。
雇用形態は問いません。
雇用保険の被保険者(週20時間以上・31日以上の雇用見込み)になれるパート・アルバイトなら対象になり得ます。
ポイント
・正社員限定ではない(契約・派遣・パート・アルバイトでも可)
・「安定した職業」=雇用保険の被保険者となる雇用が基本(週20h以上・31日以上の雇用見込み)
受給できる主な条件
以下はハローワーク(厚労省)実務の要件に基づく、主な判断ポイントです。すべて満たすことが原則です。
チェックリスト(はい/いいえ)
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基本手当の受給手続き後、7日間の待期期間を満了してから就職した。
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就職日の前日までの失業認定を受け、所定給付日数の1/3以上の支給残日数がある(2/3以上残しで給付率UP)。
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就職先で雇用保険の被保険者になれる(週20時間以上・31日以上の雇用見込み)。
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離職前の事業主や関連事業主への再就職ではない。
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受給資格決定(求職申込み)前から内定していた就職ではない。
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過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受給していない。
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就職後すぐ離職していない(支給決定前の離職はNG)。
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申請期限(就職日の翌日から1か月以内)を守れる。
ここがパート・アルバイト特有の注意点
・週20h未満や31日未満の雇用見込みだと被保険者にならず、再就職手当の対象外になりやすい。契約書や就業条件通知書で事前確認を。
いくらもらえる?計算式とシミュレーション
計算式(公式)
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給付率:
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支給残日数が所定給付日数の2/3以上 → 70%
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1/3以上 → 60%
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金額 = 基本手当日額 × 支給残日数 ×(70% or 60%)
例:
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基本手当日額 4,000円、所定給付日数90日、給付制限中に就職(=残日数90日)の場合
→ 4,000円 × 90日 × 70% = 252,000円。
メモ
・基本手当日額には上限・下限があり、毎年8月1日に改定されます(最新はハローワーク資料を確認)。
申請手順(初日から提出までの時系列ガイド)
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就職前:ハローワークで基本手当の手続き・求職申込みを済ませ、7日間の待期を満了。
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内定~入社:雇用契約(週20h以上・31日以上の見込み)を確認。就業条件通知書・雇用契約書・雇用保険被保険者資格取得の有無をチェック。
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入社日翌日~1か月以内:再就職手当の申請書をハローワークへ提出(本人・代理・郵送可)。
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支給決定まで:就職先を継続勤務(途中離職は不支給の典型)
パート・アルバイトで迷いやすいポイントQ&A
Q1. 週20時間ちょうどでも大丈夫?
A. はい。週20時間以上が基準。31日以上の雇用見込みとセットで満たせば、被保険者となり得ます。
Q2. 有期契約(1年)でも対象?
A. 1年以上の継続見込みが原則。更新見込みが明確なら対象になり得ます。疑義はハローワークに事前相談を。
Q3. 前の会社や関連会社に戻るのは?
A. 対象外です(離職前事業主・関連事業主はNG)
Q4. 給付制限期間中にハローワーク以外の紹介で就職したら?
A. 待期満了後1か月以内は、原則ハローワークまたは許可を受けた職業紹介事業者の紹介が対象(経路要件)です。
Q5. 入社してすぐ辞めたら?
A. 支給決定前の離職は不支給。まずは定着を。
「就業手当」との違い(20時間未満で働く場合)
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再就職手当:雇用保険の被保険者となる安定就職(週20h以上・31日以上)で、所定の要件を満たすと一時金を支給。
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就業手当:再就職手当の対象外となる就業(例:1年未満の雇用など)に就いた場合に、一定要件のもとで支給。
週20h未満で被保険者とならない働き方を選ぶ場合は、こちらの可能性を検討。
詳細は必ずハローワークに確認を。
補足:失業給付を受けながら週20時間未満で働くことは、条件次第で可能。
1日4時間以上の就労日はその日分の基本手当は支給されず先送りとなる実務運用があります(各所ハローワークの案内を参照)。
受給後6か月の賃金が下がったら「就業促進定着手当」
再就職手当を受けた上で、同じ事業主に6か月以上雇用され、再就職後6か月間の賃金(日額)が離職前より低いときは、差額の一部が「就業促進定着手当」として支給されます(上限あり)。
よくある不支給・減額の落とし穴(回避策)
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申請が遅れた:入社日の翌日~1か月以内に申請。スケジュールに組み込む。
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経路要件の見落とし:待期満了後1か月以内はハローワーク等の紹介で就職した場合が対象(それ以降は経路不問)。求人経路は控えておく。
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被保険者にならない契約:週20h・31日以上見込みを契約書に明記してもらう。
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関連会社への入社:関連事業主はNG。資本・人事・取引の関係を事前確認。
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支給決定前に離職:不支給。まず6か月の定着を目標に(定着手当も視野)。