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広報の仕事が辛いのはなぜ?評価が見えづらい問題を解決

「広報って、頑張っても評価されにくい。」——もしあなたがそう感じているなら、原因はあなたの実力不足ではなく、“見えない価値”のまま放置されている評価設計にあります。
露出件数は増えているのに、上層部の意思決定にはつながらない。売上や採用にどう効いたのかも説明しづらい。
この記事は、そのモヤモヤを出力→成果→インパクトの3層KPIと、メッセージ浸透・SOV(シェア・オブ・ボイス)という実務で使える指標に置き換え、90日で“評価が見える”状態をつくるための具体策をまとめたものです。
国際的な評価原則(Barcelona Principles)を土台に、今日からできる最小セットで「件数報告から、意思決定を動かす広報」へ。数字で語れるようになれば、広報の仕事はもっと楽になります。

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この記事のまとめ

広報が「辛い」最大の理由は、価値が社内で翻訳されずに埋もれてしまうこと。
解決策は、
①目的を事業OKRと結び、
②出力(露出量)だけでなく成果(態度・行動変容)とインパクト(事業貢献)まで測る設計に刷新し、
③その証拠としてメッセージ浸透
SOVを定点で運用することです。
まずはキーメッセージを3〜5個に絞ってタグ付けを始め、週次は「出力」、月次は「成果」、四半期は「インパクト」をレビュー。
広告換算のような“疑似通貨”に頼らず、意思決定に効く数字で語れば、施策の優先順位も予算配分も自信を持って提案できます。
評価が見える広報は、組織の戦略を前に進める推進力になります。今日から一歩、基準と運用を整えていきましょう。

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広報が「辛い」と感じる3つの構造問題

  • 成果が売上に直結しづらい:営業のように“受注○件”と出せない。因果の鎖が長い。

  • 定義の曖昧さ:露出=成果、認知=好意、という取り違えが起こりやすい。

  • 評価の分散:メディア、SNS、イベント、社内コミュニケーション…効果が各所に分散し、単一の物差しがない

解決の軸は「何のために(目的)」「誰にどんな変化を起こすか(成果指標)」「どう証明するか(測定設計)」の三点セットを、業界標準に沿って整えること。


広報評価の最新スタンダード(Barcelona Principles 4.0)

広報・コミュニケーション評価の国際原則はBarcelona Principles。2025年に4.0版へアップデートされ、ステークホルダー理解やチャンネル横断の包括評価を一層強調しています。要点は:

  • 目標設定は絶対条件(SMART/OKRで定量化)

  • 出力(露出)だけでなく、成果(態度・行動変容)とインパクトを評価

  • 定量+定性の両輪オンライン/オフライン横断透明性と学習

  • AVE(広告換算)は無効という立場を継続

これらはAMEC(国際コミュニケーション評価団体)の公式原則で、実務を支援するIntegrated Evaluation Framework(IEF)も提供されています。


何を測るべき?—出力・成果・インパクトのKPI設計

広報KPIは3層で考えると迷いません。

出力(Output:広報が生み出したもの)

  • 掲載件数、到達推定、媒体スコア(媒体格、見出し、露出位置、画像有無などの加点方式)

  • SNS投稿数、インフルエンサー起用数、取材設定数

出力は量の管理。ただし「量=価値」ではない点に注意。

成果(Outcomes:相手に起きた変化)

  • メッセージ浸透率(後述):“伝えたい要素”が記事に何割含まれたか

  • 態度変容:ポジ・ニュートラル・ネガの有意な変化(単なる感情値の平均でなく“傾向の推移”を見る)

  • 検索指標:指名検索の増減、ブランド関連クエリ

  • 行動指標:指名トラフィック、ナーチャリング到達(例:資料DL、ウェビナー登録)

インパクト(Impact:事業や社会への波及)

  • 採用:応募数/質、内定承諾率の改善

  • 営業:PR連動施策に起因するMQL/SQLの増(“PR起点タッチを含む商談割合”などアトリビューション設計が要)

  • レピュテーション:ブランド想起・好意度・推奨意向(追跡調査)

ここは他部門データとの連携が肝。AMECは“目的→成果→インパクト”の論理連鎖を推奨しています。


メッセージ浸透(Message Pull-Through)の測り方

定義:獲得露出に、事前に定義した“キー・メッセージ”がどれだけ含まれたかを定量化した指標。
手順

  1. キーメッセージ(3〜5個)を言い換え語彙込みで定義

  2. 記事/投稿ごとに含有(1)/非含有(0)でタグ付け(精度重視なら人手レビュー)

  3. 記事単位・媒体単位・期間単位で浸透率=含有記事数/全記事数を算出

  4. 浸透“質”を見る場合は見出し含有冒頭300字含有に加点

例:四半期100件中、メッセージAを含む記事が62件 → 浸透率62%。媒体上位10本に限ると80%など、質的濃度も併記。
メッセージ浸透は“量から質”へ評価の軸を移す中核KPIとして、主要ベンダーや業界記事でも基本指標として解説されています。


競合比較の定番:シェア・オブ・ボイス(SOV)の正しい使い方

定義:特定市場の会話・報道における、自社言及の割合

SOV(%)=自社の言及数市場全体の言及数(自社+競合)×100\text{SOV(\%)}=\frac{\text{自社の言及数}}{\text{市場全体の言及数(自社+競合)}}\times100

使い方のコツ

  • 母集団を固定(媒体リスト/言及条件/期間を明示)

  • 量と質を分離:SOV(量)+媒体格・メッセージ浸透(質)で解像度を上げる

  • チャネル別に見る:ニュース/SNS/クチコミで分けて傾向を把握

SOVの定義と計算は各社リファレンスで共通しています。


“やってはいけない評価”とその代替案

  • 広告換算(AVE):同じ露出面積の広告価格に換算する手法は、無効と明確に否定されています。

    • 理由:広告と報道は信頼性・目的・効果経路が異なる/複合チャネルでの波及を捉えられない。

    • 代替:前章の出力・成果・インパクト3層+メッセージ浸透SOV体系的に評価


90日で整える「評価が見える」運用手順

フェーズ1(Day 1–30):目的と測定設計

  1. 事業OKRを確認(例:指名問い合わせ+20%)

  2. 広報の目的をSMART化(例:採用領域の想起改善→月1回の上位媒体露出/採用LP指名流入+15%)

  3. KPIマップ作成(出力→成果→インパクトの対応表)

  4. ルール定義:媒体スコア、メッセージ定義、SOVの母集団

  5. ダッシュボード雛形を作成(後掲の図表参照)

  6. データ連携先を確定(PRツール、Web解析、MA/CRM、採用ATS)

フェーズ2(Day 31–60):運用と改善

  1. メッセージ浸透タグ付け運用開始(週次レビュー)

  2. 競合SOVを月次で更新(定義変更は四半期単位でのみ)

  3. 部門横断レビュー:マーケ/人事/営業と“成果・インパクト”の数字突合せ

  4. 小さな実験:媒体ピッチの角度A/B、見出しワードテスト

フェーズ3(Day 61–90):意思決定とストーリーテリング

  1. 四半期レビュー資料

    • 成果KPI(浸透率・態度変容)→何が効いたか

    • インパクトKPI(指名検索・MQL・応募質)→次の投資配分

  2. 翌四半期の仮説を明文化(どのメッセージ/媒体/アセットに寄せるか)

補足:AMECのIntegrated Evaluation Frameworkを骨格にすると、上記フローが自然に回ります。


ダッシュボード設計例(図表)

KPIマップ(例)

目的 KPI 取得元
出力 認知獲得 掲載件数、媒体スコア、到達推定 PR管理ツール
成果 メッセージを浸透 浸透率(%)、見出し含有率、要旨含有数 クリッピング+手動タグ
成果 態度改善 ポジ/ネガ推移、論点別センチメント 分析ツール+手動補正
インパクト 指名獲得 指名検索、指名流入、ブランドCVR GA等
インパクト 商談・採用 PR起点MQL/応募、質指標 MA/CRM/ATS

メッセージ浸透スコア(擬似コード)

  • 浸透率 = 含有記事数 / 全記事数

  • 濃度スコア = (見出し含有×2)+(冒頭含有×1.5)+(本文含有×1)

  • 媒体重み = 媒体格×露出位置×画像有無

  • 総合 = 濃度スコア × 媒体重み

SOV定義メモ

  • 媒体集合:トップ100媒体+業界特化20媒体

  • クエリ:正式社名/ブランド名の表記ゆれ一覧

  • 除外:ジョブ投稿、価格表のみ等の非記事


よくある壁

A. 「上層部が“件数”しか見ない」

  • 処方:四半期の冒頭1枚で**“質”の指標を先に提示**(見出し含有率、上位媒体比率、メッセージ浸透)。“件数は付録”に回す。

B. データがバラバラで集計が負担

  • 処方

    1. 必須KPIを6個以内に絞る

    2. 週次は出力中心/月次は成果/四半期はインパクト棚卸し頻度を分ける

    3. タグ付けは優先メッセージ3個だけから開始

C. AVEを求められる

  • 処方国際原則で無効である旨を明示し、代替指標(媒体質×メッセージ浸透×SOV×行動指標)で意思決定ができることを示す。

D. 広報の寄与を“売上で”求められる

  • 処方アトリビューションの現実解を説明。

    • 直接CVだけでなく、指名検索/指名流入の増PR接触を含む商談比率など“寄与の痕跡”を追う。

    • 実験設計(特定市場での重点投下→周辺KPIの差分検証)で“相関と可能な限りの因果”を示す。

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